遺書と恋文

頭痛腹痛毘沙門天

遠くに行く友人へ

今月いっぱいで友人が異動になってしまう。それを聞いたのはほんの1ヶ月とすこし前だ。彼は分かっていたみたいだけど。残念ながらもう気軽に会える距離ではなくなる。

彼、Tくん(フェイクあり)とはTwitterで知り合った仲で、オフ会を機に住んでいる場所が近いこともありそれからよく会うことが増えた。もうフォロワーとかそういう関係じゃなくて何かしらの同じ趣味のある仲間のような、そんな距離感だった。

居酒屋に飲みに行ったり、サイゼでデカンタをがぶがぶ飲んだり、友人の部屋でただただだらりと飲んだり。彼も僕と同じく酒好きなので、どこか遠くへ遊びに行くことこそしなかったものの「今どこ?〇〇でひとりで飲んでるから仕事終わりに来てよ」。そのひと言でふらふらとやってきてくれるTくんだった。短期間ではあるものの気の置けない大切な友人になった。その気さくさに惹かれたが、そこにあぐらをかいていることは改めて謝らないと…

だからこそ東京へ行ってしまうという報せを聞いたときはひどく落ち込んだし、これで縁が切れてしまうのだろうと悩んだ。悲しかった。大人に、社会人になってから友達ができるというのはすごく厳しく、ましてこんなに仲良くなれた友人は学生の時分でもそうそうない。

僕はTwitterを経由してよくオフ会をする。別に友達がほしいわけではない。でもそこで仲良くなって何回も会うようになり、現実感をもって遊ぶフォロワーが何人かいる。Tくんもそのうちのひとりだ。やはりこの記事を書きながら寂しいという気持ちに襲われている。だって行ってほしくないよ。まだまだいっしょにやりたいことがたくさんある。

ネットで築いた人間関係なんて希薄だと思っていた僕に、あれこれと関わることですべてがすべてそうでないと教えてくれた彼に感謝している。

これからも良き友人でいてほしいし、今Twitterを介さなくても会おうと誘ってくれるフォロワー、いや、友人らを大切にしようと思った。

暑中見舞いや手紙を律儀に返してくれる筆まめなTくん。忙しいなかでも、異動先からきっと返事を書いてくれるだろう。

忘れないでいてね、Tくん。またドラえもんとかジブリ作品を観ながらのんびりお酒を飲もうね。荷造りを手伝うのがたぶん彼と会うのが最後の日になる。ありがとうTくん。